懐かしの「なかよし」おすすめ漫画5選!【90年代連載開始作品】

更新:2021.12.17

「なかよし」は1954年に創刊された少女向け月刊誌です。基本的には小中学生向けの漫画雑誌ですが、『美少女戦士セーラームーン』など、世代を超えて愛される作品もたくさんあります。今回は、中でも特におすすめの漫画作品5作をご紹介します。

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世紀末を舞台にした子育てラブコメ『だぁ!だぁ!だぁ!』

中学2年生の光月未夢は、ある日突然、両親からアメリカに行くと告げられます。しかも、宇宙飛行士に選ばれた母と科学者の父は、訓練と仕事に専念するために未夢の面倒はみられないと、未夢を日本の知り合いに預けると言うのです。驚きを隠せない未夢でしたが両親には逆らえず、知り合いの「西遠寺さん」という所へひとり向かうのですが……。

着いた先はなんと、古いお寺! そこには住職とその息子で未夢と同じ年の彷徨(かなた)が暮らしていました。しかし、住職までもが急きょインドに修行へ行くことが決まってしまい、未夢と彷徨はふたりだけで暮らすことに。耐え切れずに飛び出そうとした未夢ですが、その前に現れたのは……!?

 

著者
川村 美香
出版日
2015-07-03


アニメやゲーム化もされた人気作品です。中学2年生の男女がいきなり赤ちゃんを育てることになるという展開。「なかよし」を愛読していた少女達にとっては驚きであると同時にワクワクを掻き立てられたのではないでしょうか。

もちろん、「赤ちゃん」は未夢と彷徨の子ではありません。赤ちゃんのルゥは、「時空のひずみ」に飲みこまれて地球にまでやってきてしまった、宇宙人の赤ちゃんです。それと、ルゥのベビーシッター兼ペットのワンニャーも加え、未夢達は4人で暮らすことになりました。

作品の冒頭で、「この世は世紀末……だからなにが起こるかだれにもわからない――…」と、書かれているように、物語は序盤から予想外の展開がテンポ良く繰り広げられていきます。基本的には、未夢と彷徨をメインとしたコミカルで楽しいラブコメですが、そこにルゥ達が加わった、ちょっと変わった温かい家族の絆を描いています。

未夢や彷徨、それにルゥやワンニャー達がどうなっていくのか、その結末をどうぞ手に取って確認してみてください。

元祖肉食系ガールズの恋物語『うるきゅー』

運動神経抜群で食いしん坊、元気が取り柄の卯月あみと、模試はオールA判定でスタイル抜群、ポエムを書くのが趣味の黒沢のあは幼馴染の15歳。このふたりは何故か幼い頃から好きになる男の子が被ってしまい、その度に取り合ってはフラれるということをくり返していました。

ある日、ふたりは他校生との合コンに誘われます。それぞれ勝負服に身を包み、気合十分で臨んだ合コンでしたが、そこにいたのはオタク、おデブ、不潔男とめちゃくちゃな男ばかり……。耐えられなくなった彼女たちはその場を抜け出してしまいます。しかし、抜け出した先で出会ったのは、多聞(たもん)とトモヒロという、どストライク男子ふたり組でした。

 

著者
秋元 奈美
出版日


「元祖肉食系ガールズ」との言葉通り、とにかくパワフルな女の子ふたりの物語です。どれくらいパワフルかというと、カラオケでの合コンから逃げ出したあみとのあが、他の部屋で歌っている多聞ととトモヒロを、「キュートな悪ガキ系」と「すっきりクール系」と、自分達の好みのどストライクであると見るやいなや、すぐに「ターゲット照準」して、他人のカラオケ部屋に乱入して歌い出してしまうくらいです。

大人になってから見ると、そのパワフルさについツッコミを入れてしまいたくなるところもありますが、純粋で真っ直ぐな気持ちを持ったあみとのあはとても魅力的で、読んでいるうちにいつの間にか自分まで元気になってしまうでしょう。まさに、恋する女の子は強い! と感じる漫画。恋愛に迷ったり落ち込んでいたりする女性に読んでもらいたい作品です。

大人も楽しめる魔女っ子ストーリー『おジャ魔女どれみ』

小学3年生の春風どれみは、ドジな性格なせいで幼稚園児の妹ぽっぷにもバカにされてしまう始末。どれみはそんな自分のことを世界一不幸だと思っていました。一方で、魔女や魔法に憧れを抱いていたどれみはある日、本物の魔女マジョリカと出会います。

しかし、どれみがマジョリカのことを魔女だと知ってしまったために、マジョリカは「魔女ガエルの呪い」を受け、魔女ガエルになってしまいます。マジョリカを元の姿に戻すため、どれみは同級生の藤原はづき、妹尾あいこ、それに妹のぽっぷと共に、マジョリカの下で魔女見習いをすることになりますが……!?

 

著者
["東堂 いづみ", "たかなし しずえ"]
出版日


元々はオリジナルアニメとして製作された作品で、アニメ放送とともにコミカライズもされ、「なかよし」で連載されました。小学3年生だったどれみ達が16歳の高校生になった第6シリーズまで作られているロングラン人気作です(2017年現在)。

タイトルの「おジャ魔女」は、どれみ達の師匠でもあるマジョリカが、いつも失敗ばかりで邪魔な魔女見習いのどれみ達を、「おジャ魔女」と呼ぶところからきています。ドジっ子のどれみを始め、失敗を繰り返しながらも頑張るキャラクター達の姿は、子供はもちろん大人もつい応援したくなります。

いわゆる女児向け作品ですが、綿密に作られた構成や設定はとても練りこまれていて、大人が見てもつい見入ってしまう要素がたっぷりです。親子で楽しめることはもちろん、子供の頃に見ていた人は大人になって見たら懐かしい、大人になってから初めて見ても楽しいと思えるなど、世代を超える魅力が長い時間愛されている秘密と言えるのかもしれません。

90年代少女漫画の金字塔『美少女戦士セーラームーン』

中学2年生の月野うさぎは、明るくお調子者な性格ですが、ドジで泣き虫。勉強も早起きも苦手で、遅刻の常習犯です。

ある日、うさぎは子供達にいじめられていた黒猫を助けます。その黒猫は額に三日月の模様を持つ不思議な黒猫でした。そして突然、その黒猫が人の言葉を話し出すのです。猫はルナと名乗り、うさぎにブローチを渡します。そのブローチこそ、セーラー服美少女戦士セーラームーンに変身するアイテムでした。

セーラームーンとして妖魔退治をすることになったうさぎは、同じ力を持つ仲間を探しながら戦いに身を投じていきますが、そこへさらなる事実が判明していき……。

 

著者
武内 直子
出版日


1990年代少女漫画の金字塔とも言われるほど、誰もが知る少女漫画の代表的作品です。もちろん最初は少女を対象にした少女向け漫画でしたが、大人の女性をはじめ男性にもファンが多いのが特徴です。1993年には、講談社漫画賞少女部門を受賞しています。

少女向けの内容ながら、ストーリー構成や人物関係は大人向けのものと変わらないくらい複雑で、特にシリーズを重ねるとその設定のシリアスさが強くなっていきます。幼稚園児や小学生低学年の子供には少し難しいのでは? と思える箇所もありますが、全てをはっきり理解しなくても、正義の戦士セーラームーンが悪と戦うという構造はいたってシンプルで、子供も夢中になって読むことができます。

反対に、大人の目からは深い人物関係や設定を楽しむことができます。幅広い世代から支持されるのは、そういった点にもあるでしょう。幼い頃に好きだった人が母になり、娘に漫画やDVDをプレゼントするという方もいるそうで、まさに少女漫画の代表と言える作品です。

サイドストーリーにも注目!『カードキャプターさくら』

小学4年生の木之本桜は、音楽と体育が好きで算数が嫌いな一見普通の女の子ですが、1つだけ、人には秘密にしていることがありました。それは、桜が「クロウ・カード」を集めているということです。

桜は、4年生になったばかりの頃に、父親の書庫にあった古い本を開きます。それをきっかけに本を守っていた封印の獣であるケルベロス、通称ケロちゃんと共に、町に散らばってしまった魔法のカード「クロウ・カード」を集めるカードキャプターとして活動することになったのです。「クロウ・カード」の封印が解かれると、この世に災いが訪れるというのですが……!?

 

著者
CLAMP
出版日
1996-11-20


本編となる「クロウカード編」と「さくらカード編」は単行本で全12巻で完結しており、無駄のないスマートなストーリーと、繊細な高クオリティの絵柄が魅力の人気作です。2001年には星雲賞(コミック部門)を受賞、2016年からは続編となる「クリアカード編」が「なかよし」で連載されました。

明るくて元気な主人公の桜を始め、桜の親友である大道寺知世や、桜の兄の桃矢、その親友の月城雪兎、また、桜と同じようにカードを集める李小狼(リ・シャオラン)など、たくさんの魅力的なキャラクターが作品を彩っています。これらのキャラクターを中心にしたサイドストーリーが、端的ながらしっかりと描かれていることで、メインストーリーの魅力もさらに深まっているのでしょう。

カードを集める際などは戦闘シーンもあり、ハラハラした展開を繰り広げますが、血みどろになるような戦闘ではないので安心して読むことができます。ほのぼのとハラハラのバランスがとても良く、巻数もそれほど多くないので、ぜひ一気にまとめ読みをして頂きたい作品です。

いかがでしたか?女児向け作品の「なかよし」連作作ですが、大人が読んでも思わずハマってしまう面白い作品がたくさんあります。子供の頃に読んでいた方の読み返しはもちろん、大人になって初めて読む方もきっと楽しめるので、ぜひ手に取ってみてください。

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